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CPAP治療

CPAPの費用と保険適用条件|月額・レンタル・自費購入の違い

久井 宏真

2026/9/7

CPAP治療を保険診療で受ける場合、患者さんの自己負担額は、3割負担で月4,000〜5,000円前後が目安です。1割負担なら約1,500円、2割負担なら約3,000円前後になります。

この費用は、CPAP本体を分割払いで購入する料金ではありません。装置の貸与、診察、使用データの確認、治療に必要な材料などを含む毎月の医療費です。そのため、長期間支払い続けても、原則として装置の所有権は患者さんへ移りません。

また、CPAPを始める前には初診料や睡眠検査費が別途必要です。保険適用の可否は費用だけでなく、検査結果や症状をもとに判断されます。

CPAPの月額費用は1割・2割・3割負担でいくら?

保険診療でCPAPを継続する場合の自己負担額は、次の金額が目安です。

自己負担割合

1か月の費用目安

1割負担

約1,500円

2割負担

約3,000円

3割負担

約4,000〜5,000円

上記は診察料などを含めた一般的な目安です。実際の金額は、診療内容、医療機関の施設基準、検査や処方の有無、オンライン診療に伴う費用などによって変わります。

なお、CPAP開始前の初診や簡易検査、必要に応じて実施するPSG検査の費用は、毎月のCPAP費用とは別です。

【関連記事:第20記事「睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でできる?」】
【関連記事:第21記事「簡易検査とPSG検査の違い」】

毎月のCPAP費用には何が含まれる?

2026年度の診療報酬では、CPAPに関係する基本的な費用は次のように定められています。

主な項目

点数

10割の金額

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2

240点

2,400円

在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算

960点

9,600円

在宅持続陽圧呼吸療法材料加算

100点

1,000円

CPAP関連部分の合計

1,300点

13,000円

医療費は原則として1点10円で計算され、この金額に再診料や必要な診療費などが加わります。厚生労働省の2026年度医科診療報酬点数表に基づく内訳です。

毎月の費用には、主に次の内容が含まれます。

  • CPAP装置の貸与

  • 医師による治療状況の確認と指導

  • 使用時間、マスク漏れ、残存AHIなどのデータ確認

  • CPAPに必要な回路部品や付属品

  • 貸与中の装置管理

マスク、チューブ、フィルターなどの交換時期や供給方法は、医療機関や貸与業者の運用によって異なります。「いつでも何個でも無料交換」という意味ではないため、破損や交換希望がある場合は事前に確認してください。

電気代、日常的な清掃用品、旅行用バッテリー、紛失や故意による破損などは、別途自己負担になる場合があります。

CPAP開始前には診察料と検査費がかかる

保険診療のCPAPは、希望すればすぐ借りられる機器ではありません。一般的には次の順序で診断と適応判断を行います。

  1. 問診・診察

  2. 自宅での簡易検査

  3. 必要に応じてPSG検査

  4. 検査結果と症状の確認

  5. 保険適用条件を満たす場合にCPAP開始

したがって、開始時には初診料と検査費が別途かかります。簡易検査で判断できる場合と、PSG検査が必要な場合では総額が異なります。

「初月から毎月約5,000円だけ」とは限らない点に注意しましょう。

【関連記事:第22記事「睡眠時無呼吸の検査結果とAHIの見方」】

2026年6月からCPAPの保険適用条件が変わりました

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するCPAPの保険基準は、2026年6月に見直されました。現在の主な目安は次のとおりです。

検査結果の目安

保険適用の考え方

簡易検査などの指数が30以上

強い症状や日常生活への支障などを確認し、医師が判断

PSGでAHI 15〜29

症状に加え、睡眠の分断や深い睡眠の減少など所定のPSG所見を確認

AHI 30以上

詳細なPSG所見に関する要件は簡略化されるが、症状の確認は必要

AHI 15未満

通常の保険CPAP基準からは外れるため、ほかの治療法を含めて検討

簡易検査では、実際の睡眠時間ではなく検査時間を使って計算するため、AHIではなくREIやRDIなどの名称で表示されることがあります。

以前は「簡易検査40以上、PSG20以上」と説明されることが多くありましたが、これは旧基準です。2026年6月以降は、おおむね「簡易検査30以上、PSG15以上」が数値上の目安となっています。

ただし、数値だけで自動的に保険適用になるわけではありません。日中の強い眠気、起床時の頭痛、仕事や運転への支障などを含めて医師が判断します。詳しい条件は厚生労働省の2026年度診療報酬改定資料留意事項通知で確認できます。

基準を満たさない場合も、治療が不要という意味ではありません。マウスピース、減量、体位療法など、重症度や原因に合った治療を検討します。

【関連記事:第24記事「睡眠時無呼吸症候群の治療法」】
【関連記事:第29記事「CPAPとは?仕組み・効果・適応」】

保険診療のCPAPは購入ではなくレンタル

保険診療で使うCPAPは、医療機関から患者さんへ貸与される装置です。

毎月の支払いは本体代金の分割払いではないため、5年、10年と使用しても原則として自分の所有物にはなりません。

治療を終了するときや転院するときは、医療機関や貸与業者の案内に従って返却します。転院先でもCPAPを継続する場合、現在の装置をそのまま使えるとは限りません。

レンタル方式には、次のような特徴があります。

  • 高額な本体を一括購入せずに始められる

  • 使用データを医療機関が確認できる

  • 故障時に貸与業者へ相談できる

  • 必要な部品を所定の方法で交換できる

  • 治療設定を医師が管理できる

一方で、貸与を受けている間は定期的な診療と費用負担が続きます。

CPAPを使わなかった月も費用はかかる?

CPAPの保険診療は、一晩ごとの従量課金ではありません。

旅行や体調不良などで使用日数が少なかった月でも、装置の貸与と管理が続いていれば、装置や材料に関する費用が発生することがあります。「使わなかった月は無料」にはなりません。

2026年度からは、導入後3か月を過ぎた患者さんについて、直前3か月のすべてで1日平均使用時間が1時間未満だった場合、CPAPの指導管理料を算定しない規定が設けられました。ただし、装置と材料に関する費用まで自動的にゼロになるわけではありません。

また、「1日平均1時間」は医学的な治療目標ではありません。CPAPは、可能な限り眠っている時間を通して使うことが基本です。

よく見かける「4時間以上使えないと保険が切れる」「使用率70%未満なら即終了」という説明も、全国共通の患者個人の打ち切り基準ではありません。4時間という数字は治療効果や使用状況を評価する目安として使われますが、保険継続は一つの数字だけで決まりません。

保険で続けるには毎月対面受診が必要?

保険診療でCPAPを継続するには、医療機関による定期的な診療と使用状況の確認が必要です。

ただし、「すべての患者が毎月必ず対面受診しなければならない」とは限りません。条件を満たす医療機関では遠隔モニタリングを利用し、次回受診までの使用状況を確認する仕組みも設けられています。

受診方法や間隔は、患者さんの状態、使用状況、医療機関の体制によって異なります。

なお、保険診療でオンラインによるCPAP指導管理を行う場合には、CPAPによる症状改善を対面診療で確認した後に行うなど、診療報酬上の条件があります。そのため「開始から継続まで、誰でも一度も対面受診せずに利用できる」とは一律にいえません。

CPAPは自費で購入できる?

CPAPを患者さん自身が購入して所有する方法もあります。

国内の公開例では、本体価格は15万〜50万円台まで幅があります。ただし、機種、加温加湿器、マスク、保証、設定支援などの内容によって価格が異なるため、全国一律の相場ではありません。

自費購入した場合は、次の費用も原則として自分で負担します。

  • マスク、チューブ、フィルターなどの消耗品

  • 故障時の修理費

  • 保証終了後の保守費用

  • 将来の本体買い替え

  • 必要に応じた診察や使用データの確認

  • 圧力設定や治療方針の再評価

CPAPは医師の指導のもとで使用する医療機器です。購入後も、治療圧やモードを自己判断で変更することは避けてください。PMDAのCPAP添付文書でも、医師の指導下で使用することが示されています。

海外からの個人輸入は、国内保証、修理、リコール時の対応、電源仕様、輸入手続きなどの問題があります。価格だけで判断せず、医師や国内の正規販売事業者へ相談しましょう。

保険レンタルと自費購入の違い

比較項目

保険レンタル

自費購入

初期費用

診察・検査費が中心

本体購入費を全額負担

継続費用

診療と貸与が続く間は毎月発生

レンタル料はないが診察・消耗品・修理費は別

所有権

医療機関からの貸与

患者本人が所有

設定管理

医師が治療状況を確認

購入後も医師の管理が必要

消耗品

医療機関・業者の規定に沿って供給

原則として自己購入

故障時

医療機関・貸与業者へ相談

保証条件に従い、保証外は自己負担

中止時

装置を返却

手元に残る

機種選択

医療機関や貸与業者の採用品

購入先の範囲内で選択

レンタルと購入はどちらが安い?

本体価格だけで計算すると、「何年か使えば購入の方が安い」と見える場合があります。

しかし、保険診療の月額には本体の貸与だけでなく、診察、データ管理、材料、故障時の対応などが含まれています。一方、自費購入後には、消耗品、修理、診察、買い替えなどの費用が別に発生します。

そのため、次のような単純計算だけで決めることはできません。

本体購入価格 ÷ 保険診療の月額 = 元が取れる年数

保険適用条件を満たし、初めてCPAPを使う方は、まず保険診療で装置との相性や治療効果を確認する方法が一般的です。

自費購入を検討する場合は、購入価格だけでなく、消耗品、保証期間、故障対応、医療機関でのデータ確認、将来の買い替えまで含めて比較してください。

CPAPの費用に関するよくある質問

CPAPは何年借りれば自分のものになりますか?

保険診療のCPAPは貸与品です。使用年数にかかわらず、原則として患者さんの所有物にはなりません。

使用時間が短いと、すぐに保険が切れますか?

数日使えなかっただけで、自動的に保険適用が終了するわけではありません。ただし、使用時間が極端に短い状態が続く場合は、原因を確認し、治療方法を見直す必要があります。

受診を忘れた月の費用はどうなりますか?

保険診療では定期的な診療と管理が必要です。受診間隔が空く場合の扱いは医療機関によって異なるため、自己判断で放置せず、事前に相談してください。

自費購入すれば通院は不要ですか?

本体を所有しても、睡眠時無呼吸症候群そのものが治ったわけではありません。治療効果、副作用、マスク漏れ、残存AHIなどを確認するため、定期的な医学的評価が推奨されます。

CPAP費用は医療費控除の対象になりますか?

保険診療として支払った診察・治療費は、一般に医療費控除を計算する際の医療費に含められます。

自費購入についても、医師の治療上直接必要な医療用器具と認められる場合は対象となる可能性があります。ただし個別判断となるため、領収書や医師の指示を示す書類を保管し、税務署などへ確認してください。国税庁の医療費控除に関する案内でも、診療に直接必要な医療用器具の購入・賃借費が示されています。

川越ひさいクリニックで睡眠時無呼吸の検査・CPAP治療を相談する

川越ひさいクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群のオンライン診察と自宅での簡易検査に対応しています。

検査の流れは次のとおりです。

  1. オンライン診察を予約

  2. 睡眠やいびき、日中の眠気などについて診察

  3. 必要と判断した場合、検査機器をご自宅へ郵送

  4. 届いた説明書を確認し、ご自身で装着して自宅で検査

  5. 検査結果の説明とCPAP治療の適応判断

簡易検査の結果だけでは判断できない場合は、PSG検査を含めた詳しい評価が必要になることがあります。

毎月の費用だけでなく、「自分は保険適用になるのか」「CPAPとほかの治療のどちらがよいのか」まで、検査結果と症状をもとにご相談いただけます。

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