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基礎知識

女性・閉経後の睡眠時無呼吸|見逃されやすい症状

久井 宏真

2026/9/6

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は女性にも起こり、特に閉経後は増加します。「男性の病気」「太っている人の病気」と考えて、女性や痩せている方が検査の対象から外れるわけではありません。

女性では、大きないびきや日中の眠気だけでなく、不眠、疲れが取れない、朝の頭痛、夜中に何度も目が覚めるといった症状が目立つ場合があります。更年期にみられる不調と重なるため、睡眠中の呼吸の異常に気づきにくいことがあります。

この記事では、成人女性の閉塞性睡眠時無呼吸を中心に、見逃されやすい症状、閉経との関係、検査を相談する目安を解説します。

女性の睡眠時無呼吸では、どのような症状がある?

女性でも、いびきや呼吸停止は重要なサインです。一方で、それらより「眠れない」「疲れが取れない」という訴えが目立つ場合もあります。 必ずしも、強い居眠りがある人だけの病気ではありません。

確認すること

気になる症状・指摘

睡眠中の呼吸

いびきが大きい、呼吸が止まる、苦しそうに息を吸うと言われる

眠りの状態

寝つきにくい、途中で何度も目が覚める、眠った感じがしない

起床時の体調

朝に頭痛がある、口が渇く、疲れが残っている

日中の状態

眠気、だるさ、集中しにくさが続く

夜間の目覚め

夜中に何度もトイレに起きる

これらは睡眠時無呼吸でみられますが、ほかの原因でも起こる症状です。当てはまる数だけで、睡眠時無呼吸の有無や重症度を判断するものではありません。

大きないびきがなければ、心配しなくてよい?

大きないびきが目立たなくても、睡眠時無呼吸を否定することはできません。 また、一人で寝ている場合などは、いびきや呼吸停止があっても、誰にも指摘されないことがあります。

「いびきは分からないが、眠りが浅く、朝から疲れている」といった相談でも構いません。分からないことを無理に「ない」と判断せず、そのまま医師に伝えてください。

閉経後に睡眠時無呼吸が増えるのはなぜ?

閉経前後のホルモンの変化に加え、加齢、体重や脂肪のつき方の変化などが関係すると考えられています。 一つの原因だけで説明できるわけではありません。

女性219人を追跡した研究では、年齢やBMI、首・腹囲などの影響を考慮しても、閉経の進行と睡眠中の呼吸異常の増加に関連が認められました。単に「年を取ったから」「体重が増えたから」だけでは説明できない変化もあると考えられます。

ただし、閉経した女性全員が発症するわけではありません。また、閉経前の女性にも睡眠時無呼吸は起こります。閉経の有無だけで判断せず、症状や体の特徴も合わせて評価します。

痩せている女性にも起こる?

痩せている女性にも、睡眠時無呼吸は起こります。 肥満は重要な要因ですが、あごが小さい・後退している、舌や扁桃が大きいなど、気道が狭くなりやすい体の構造も関係します。

「体重は増えていないから大丈夫」とは判断せず、いびきや呼吸停止の指摘、続いている不調があれば相談してください。

更年期による不眠と、睡眠時無呼吸は見分けられる?

症状だけで完全に見分けることはできず、両方が重なっている場合もあります。

更年期には、ほてりや寝汗、気分の変化などによって眠りが妨げられることがあります。一方、睡眠時無呼吸でも、夜間の目覚めや疲労感、頭痛などが現れます。「眠りが浅い」「朝からだるい」という症状だけでは、原因を一つに決められません。

更年期症状で診療を受けている方も、家族からいびきや呼吸停止を指摘されている場合は、その情報を主治医に伝えてください。反対に、睡眠時無呼吸を調べる際も、ほてり・寝汗や、現在受けている治療について伝えることが大切です。

更年期か睡眠時無呼吸かの二者択一ではなく、睡眠を妨げている原因をそれぞれ確認することが重要です。

どのような場合に、検査を相談した方がよい?

家族から呼吸停止を繰り返し指摘されている場合は、眠気の有無にかかわらず、睡眠時無呼吸の検査を相談してください。 自覚症状がはっきりしない患者もいます。

また、閉経前後からいびきが増えた、朝の頭痛や疲労感が続く、不眠と日中の不調が重なっている場合も、睡眠中の呼吸について相談するきっかけになります。女性だから、いびきが小さいからという理由で、症状を軽視する必要はありません。

ただし、閉経後であることや疲労感があることだけで、全員に一律の睡眠検査を行うわけではありません。診察で睡眠習慣、症状、持病などを確認し、検査の必要性を判断します。

運転中に眠くなる、居眠りしそうになる場合は、運転を控えて早めに受診してください。 睡眠時無呼吸に伴う眠気は、交通事故につながるおそれがあります。

質問票の点数が低ければ、睡眠時無呼吸ではない?

質問票の点数が低いことだけで、睡眠時無呼吸を否定することはできません。 質問票は受診や検査を考えるための補助であり、診断を確定する検査ではありません。

例えば、STOP-Bang質問票には「男性である」という評価項目があります。中年女性を対象にした研究では、女性での点数の解釈には注意が必要で、低めの点数でも睡眠時無呼吸が見つかる場合があると報告されています。

「点数が低いから検査不要」と自己判断せず、呼吸停止の指摘や続いている症状も伝えてください。 第3記事のセルフチェックも、症状を整理するための参考として利用できます。

女性の睡眠時無呼吸は、どのように検査する?

女性でも、睡眠中の呼吸を実際に測定して診断します。 自宅で行う簡易検査や、脳波なども測定するPSG(睡眠ポリグラフ検査)を、症状や持病に応じて選びます。

自宅の簡易検査では、小型の機器を装着して眠り、呼吸や血液中の酸素の状態などを調べます。一方、PSGでは睡眠そのものの状態も含めて詳しく評価できます。

不眠がある場合や、簡易検査で異常が出なかった場合は?

強い不眠がある場合などは、最初からPSGが適していることがあります。 検査を相談するときは、「眠れない」「夜中に長い時間起きている」といった情報も伝えてください。

睡眠時無呼吸を疑って行った簡易検査が陰性・判定不能だった場合や、十分な記録が取れなかった場合には、その結果だけで病気を否定せず、PSGによる詳しい評価が推奨されています。「簡易検査で異常が出なかったから、更年期のせい」と決めつけないことが大切です。

女性でもCPAP治療を受ける?効果はある?

女性でも、検査結果や症状に応じてCPAP療法を行います。 CPAPは、睡眠中にマスクから空気を送り、その圧で気道が塞がるのを防ぐ治療です。

中等症から重症の睡眠時無呼吸がある女性307人を対象とした比較試験では、3か月のCPAP治療によって、生活の質や日中の眠気などの改善が認められました。CPAPは男性だけの治療ではありません。

ただし、すべての不眠・疲労感がCPAPだけで解消するとは限りません。睡眠時無呼吸以外の原因も重なっている場合には、それぞれの対応が必要です。

治療には、CPAPのほか、適応に応じたマウスピース、生活習慣の改善、手術などがあります。女性だから軽い治療でよい、閉経後だから必ずCPAPが必要、という決まりではなく、検査結果と状態に合わせて選びます。

婦人科と内科、どちらに相談すればよい?

更年期症状について通院中であれば、まず主治医に睡眠の悩みを伝えて構いません。 更年期の睡眠の問題では、ほてりや寝汗だけでなく、ほかの睡眠障害も考えて評価することが重要です。

いびきや呼吸停止を指摘されている場合は、睡眠時無呼吸の検査に対応する内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉科などに直接相談する方法もあります。診療科名だけでなく、睡眠検査に対応しているかを確認してください。

予約時は、例えば次のように伝えると、相談したい内容が明確になります。

「閉経前後から眠りが浅く、朝から疲れています。家族からいびきも指摘されているので、睡眠時無呼吸が関係していないか相談したいです。」

婦人科などで受けている治療や服用中の薬についても、受診時に分かるようにしておきましょう。

ひさいクリニックで、睡眠時無呼吸の検査を相談する

ひさいクリニックでは、睡眠時無呼吸が疑われる方に、オンライン診療と自宅での簡易検査を組み合わせた診療をご案内しています。

診察で症状を確認し、必要に応じて自宅簡易検査をご案内します。検査機器はご自宅へ郵送されます。届いた機器の説明を読み、ご自宅で検査を行っていただく方法です。

予約 → オンライン診察 → 検査機器の郵送 → 自宅で検査 → 結果説明・CPAP治療の適応判断

検査後は結果をご説明し、CPAP治療の適応を判断します。検査を受けた方全員がCPAP治療を始めるわけではありません。オンライン診療の可否や、必要な検査は診察で判断します。

「閉経前後からいびきが増えた」「家族から呼吸停止を指摘された」「眠りの浅さや疲労感に、睡眠時無呼吸が関係していないか調べたい」という方は、WEB予約からご相談ください。

睡眠時無呼吸の検査を相談する


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