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基礎知識

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?原因・症状・重症度を解説

久井 宏真

2026/9/6


睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」を繰り返す病気です。 睡眠が分断されたり、血液中の酸素が低下したりすることで、日中の眠気や体への負担につながります。(NHLBI, NIH)

大きないびき、家族からの呼吸停止の指摘、日中の眠気などが、発見のきっかけになります。自分では睡眠中の異常に気づいていない場合もあります。(NHLBI, NIH)

この記事では、成人に多い閉塞性睡眠時無呼吸を中心に、原因・症状・重症度と、検査・治療の基本を解説します。

睡眠時無呼吸症候群では、何が起きている?

睡眠中の呼吸の異常には、空気の流れがほぼ止まる「無呼吸」と、空気の流れが少なくなる「低呼吸」があります。成人では、10秒以上続く呼吸停止を無呼吸として評価します。呼吸が完全には止まっていなくても、低呼吸を繰り返していれば評価の対象になります。(兵庫医科大学病院)

睡眠時無呼吸には、主に次の2つのタイプがあります。

タイプ

起こる仕組み

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

睡眠中に喉の空気の通り道が狭くなったり、塞がったりする。最も多いタイプ

中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

呼吸を調節する脳からの信号の問題によって、呼吸が一時的に止まる

閉塞性と中枢性では仕組みが異なります。中枢性では心不全などが背景にある場合もあり、原因に応じた評価が必要です。(NHLBI, NIH)

主な症状は?いびきだけで気づくこともある

代表的な症状は、睡眠中・起床時・日中に分けると整理しやすくなります。(NHLBI, NIH)

場面

主な症状

睡眠中

大きないびき、呼吸が止まる、息苦しそうに呼吸を再開する、夜中に何度もトイレに起きる

起床時

頭痛、口の渇き、熟睡感がない、疲れが残る

日中

強い眠気、だるさ、集中しにくい、仕事中などに居眠りしてしまう

睡眠中の呼吸停止は本人が気づきにくいため、家族やパートナーからの指摘が重要です。これらの症状がある場合は、睡眠時無呼吸の可能性について医療機関に相談してください。(NHLBI, NIH)

眠気がなければ、検査は不要?

眠気が目立たなくても、睡眠時無呼吸は否定できません。 自覚症状が乏しい人もいるため、家族から繰り返し呼吸停止を指摘されている場合は、検査の必要性を相談することが大切です。(ホプキンズ医学)

原因は肥満だけ?痩せている人にも起こる?

閉塞性睡眠時無呼吸は、肥満だけが原因ではありません。 首周りの脂肪で気道が狭くなるほか、小さいあご・後退したあご、大きな舌、扁桃肥大など、体の構造も関係します。(一般社団法人日本呼吸器学会)

また、加齢や飲酒なども影響します。特に飲酒は喉の筋肉を緩め、気道が塞がりやすくなる要因です。(NHLBI, NIH)

「痩せているから大丈夫」とは判断できません。 体格にかかわらず、いびきや呼吸停止の指摘がある場合は、睡眠中の呼吸を確認することが重要です。(一般社団法人日本呼吸器学会)

重症度は「AHI」で確認する

AHI(無呼吸低呼吸指数)は、睡眠1時間あたりに、無呼吸と低呼吸が平均何回起きたかを示す数値です。 成人では、一般に次のように重症度を分類します。(一般社団法人日本呼吸器学会)

重症度

AHI

軽症

5以上15未満

中等症

15以上30未満

重症

30以上

例えば、AHIが30であれば、一晩に30回ではなく、睡眠1時間あたりに平均30回、無呼吸または低呼吸が起きているという意味です。

ただし、診断や治療方針は数字だけでは決まりません。症状、検査方法、持病などを合わせて医師が判断します。(一般社団法人日本呼吸器学会)

放置すると、どのようなリスクがある?

睡眠時無呼吸は、いびきの音だけの問題ではありません。高血圧、心臓病、脳卒中、2型糖尿病などとの関連が知られています。ただし、睡眠時無呼吸がある人全員に、これらの病気が起こるわけではありません。(NHLBI, NIH)

また、日中の眠気は仕事中のミスや居眠り運転につながることがあります。運転中に眠気が出る場合は、無理に運転を続けず、早めに医療機関へ相談してください。(NHLBI, NIH)

検査は自宅でもできる?入院は必要?

睡眠時無呼吸は、自宅で行う検査から調べられる場合があります。 ただし、症状や持病によって適した検査が異なります。問診やセルフチェックだけで診断するのではなく、睡眠中の呼吸を実際に測定します。(NHLBI, NIH)

自宅で行う簡易検査

小型の検査機器を装着して眠り、呼吸の状態や血液中の酸素の状態などを調べます。入院せずに検査できる方法です。(兵庫医科大学病院)

詳しく調べるPSG検査

PSG(睡眠ポリグラフ検査)では、呼吸に加えて脳波なども測定し、睡眠と呼吸の状態を詳しく調べます。(兵庫医科大学病院)

簡易検査が正常・判定不能だった場合でも、それだけで睡眠時無呼吸を否定できるとは限りません。 疑いが残る場合や、十分な記録が取れなかった場合には、PSGによる評価が必要です。(PubMed Central (PMC))

治療には、どのような方法がある?

閉塞性睡眠時無呼吸の主な治療には、CPAP、マウスピース、生活習慣の改善、手術などがあります。原因や重症度、症状、治療を続けられるかどうかを考慮して選びます。(NHLBI, NIH)

治療方法

主な内容

CPAP療法

睡眠中にマスクから空気を送り、その圧で気道が塞がるのを防ぐ

マウスピース治療

主に下あごを前方に保つことで、気道を確保しやすくする

生活習慣・寝る姿勢の見直し

肥満がある場合の減量、飲酒の見直し、適した人では横向き寝などを取り入れる

手術

扁桃やあごなどの状態に応じ、気道を広げる手術などを検討する

CPAP(シーパップ)は、空気の圧を利用して、睡眠中の気道を開いた状態に保つ治療です。 生活習慣の改善と組み合わせる場合もあります。診断された人全員が同じ治療を受けるわけではありません。(NHLBI, NIH)

川越ひさいクリニックでの相談・検査の流れ

川越ひさいクリニックでは、睡眠時無呼吸が疑われる方に、オンライン診療と自宅での簡易検査を組み合わせた診療をご案内しています。

診察で症状を確認し、必要に応じて自宅での簡易検査をご案内します。検査機器はご自宅へ郵送されます。届いた機器の説明を読み、ご自宅で検査を行っていただく方法です。

予約 → オンライン診察 → 検査機器の郵送 → 自宅で検査 → 結果説明・CPAP治療の適応判断

検査後は結果をご説明し、CPAP治療の適応を判断します。検査を受けた方全員がCPAP治療を始めるわけではありません。

「いびきを指摘されている」「眠っている間に呼吸が止まっていると言われた」「検査について相談したい」という方は、WEB予約からご相談ください。

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